登別の旅路は、まずは「必見」と称される地獄谷へと向かう。日和山の噴火活動の爆裂火口跡で、直径は約450m、面積は約11ha。大地がむき出しとなった「鬼が棲む地獄」を、遊歩道で15分かけてじっくり楽しむ。噴気孔や噴出口が立ち昇る谷は、「呑気な温泉好」きにも自然への畏怖を体感させてくれる希少な名勝である。
 一方、この大地の躍動は、1日1万tもの名湯をもたらしてくれる。歩いてすぐの場所には、地獄谷で湧出する多彩な湯を引く登別温泉があり、地獄谷からの道沿いに湯宿が建ち並ぶ。なかでも今宵の宿「まほろば」には、もっとも大規模な温泉が用意されている。大浴場は、地下1階と2階に31の湯殿を完備。広々とした大露天風呂や、檜風呂、ジャグジーバスなど、大小様々な湯は、一日で周るには湯巡りの計画をたてて周る必要があるほど。酸性鉄泉、単純硫黄泉、食塩泉、硫黄泉の4種類の湯が引かれているのもうれしい。
 野趣溢れる露天風呂で、手足を伸ばして至福を味わう。「東洋一のスケール」といわれる登別の地獄の湯を堪能できる、ここは「癒しの桃源郷」である。

▲写真上:旬の味覚を名匠たちの技で調理。確かな目利きで選りすぐった素材に一流の腕がふるわれる美味尽くしのビュッフェスタイル。/写真下:友禅模様の柱やイタリア製のシャンデリアなどがあしらわれたロビーを筆頭に、豪華なしつらいも滞在を彩り豊かに。