真夏の太陽の下、水平線と波の音を求めて南房総へと足を延ばしてみる。都心から2時間、太平洋の絶景のパノラマを、客室はもちろんロビーやレストランなどから眺められるという立地で、旅の宿は、ここ「鴨川グランドホテル」にと決めた。宿での第一の楽しみは、2014年7月にリニューアルオープンしたという大浴場「湯屋 海の回廊」。また、3種類の貸切風呂もオープンしているという。
 いたるところから太平洋が見られる館内は評判どおりの開放感で迎えてくれる。客室には大きな窓が設けられており、部屋にいるのに海がすぐ傍に感じられるのすばらしい。
 「湯屋 海の回廊」はオープンエア。水平線を眺めながら、露天風呂、寝湯、岩盤麦飯浴、展望露天風呂、サウナなどで、湯巡りを楽しめる出色のしつらいには、感嘆の吐息が思わずこぼれる。回廊を散策するように順々に湯船を回り、鴨川温泉を時を忘れて楽しむ。打ち寄せる波の音は湯浴みを一層心地よくしてくれるとっておきのBGM。海の匂いに混じってほのかに薫る硫黄が、記憶に心地よく刻まれていく。

▲写真上:館内のレストラン「THE GUNJO RESTAURANT」でも海が見渡せる。オープンテラス席も常設されている。/写真下:駐日英国大使館のエグゼクティブ・シェフでもあるニール・フレデリック・ウォルターとシェフ川辺の欧風料理の一例。