別所温泉の歴史と特徴

景行天皇の時代、ヤマトタケルノミコトが東征の際に見つけたという伝説が残る別所温泉は、信州で最古の温泉。もっとも古い記録としては825年。「万葉集」のなかにも信濃に関する歌が数多くあります。別所温泉が当時の幹線道路である東山道が近くにあり、行き交う旅人を介して広まったといわれています。「別所」とは「別業」、今でいう別荘の意味。平安中期、平維茂(たいらのこれもり)が鬼女を退治した際にこの地に別荘を建てたことに由来しています。江戸時代には上田藩主の湯治施設になるなど、形を変えながら今日に至るまで人々の暮らしとともに温泉は癒しの場として受け継がれているのです。
安楽寺、常楽寺などの名刹をはじめとする神社仏閣がこの地に建てられてあり、「信州の鎌倉」と呼ばれる塩田平とともに国宝や重要文化財などの見所が多数点在。心和む街並みを目の当たりにすれば、古きよき日本へとタイムスリップした気分が味わえるはず。のんびりと散策を楽しみながら、映画やドラマの撮影の場所に選ばれた景色を探すのも、きっと素敵な旅の1ページに。
別所温泉のみどころ
![]() 別所温泉には誰もが利用できる外湯が「石湯」「大師湯」「大湯」の3ヵ所。いずれも150円とリーズナブル。町には足湯も2ヵ所あり、無料で利用できる。 |
![]() 北向観音では火を焚いて仏に祈る「護摩体験」が、また安楽寺では「坐禅体験」ができる。別所でひと味違う精神修養をしてみては。 |
![]() 「信州の鎌倉」。「未完成の完成の塔」国重要文化財の前山寺三重塔や、国重要文化財の中禅寺薬師堂などがあり、「文化財の宝庫」と称される。 |