坂本龍馬が新婚旅行で訪れた霧島
坂本龍馬が“日本初の新婚旅行”で霧島を訪ねたのは、今も語り継がれる有名な話です。この旅で、日当山温泉や塩浸温泉、硫黄谷、栄之尾温泉を楽しんだといわれています。
また、龍馬は計十八日間も塩浸温泉に逗留して、傷を癒しました。龍馬が入浴したとされる塩浸温泉は今も川沿いに遺構として残っています。
龍馬が癒された塩浸温泉には、現在は共同浴場で入ることができます。湯船は褐色の湯花がびっしりとこびりついています。湯を手ですくいあげると、ねっとりとした感じ。舐めると塩っ辛く、入ればどくどくと玉の汗が顔に滲みます。
薩摩藩家老・小松帯刀は病弱で、度々、栄之尾温泉に逗留していたそうです。その際に、見舞ったのが、坂本龍馬です。小松帯刀と龍馬が湯を共にし、語らいの場を持ったであろう湯船が、現在の霧島温泉郷岩崎ホテルの敷地内に浴槽の遺構として残っています。
当時の絵図にはこの浴槽から桜島をはじめとする錦江湾が一望できた記述がありますが、残念ながら、現在は木々が茂り、錦江湾が見えなくなっています。
ただ、小松帯刀と坂本龍馬が入った同じ源泉を愉しむことができます。森の中の野天湯「緑渓湯苑」です。湯上りには、肌から湯がさばっと離れていく感じのさっぱり系の硫黄泉。清涼感がたまりません。また、こちらには大河「龍馬伝」のロケ地にもなり、坂本龍馬役の福山雅治さんが入浴した湯船もあります。
霧島名物と言えば、黒豚でしょうか。奥深い甘味のある豚の脂身が印象的です。