JAL 新・JAPAN PROJECT 日本に旅の力を。JAL 今月の特集「長野県」森の隠れ宿 たてしな薫風

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 ビーナスラインに差し掛かる頃、窓を開けるとすっかり風は涼しくなり、空気は澄んでいた。ビーナスラインは茅野市から美ヶ原高原まで蓼科高原を縦横に巡るワインディングロード。周囲は標高1,400mの高原で、真夏でも最高気温が25度ほどと、都会のような蒸し暑さとは無縁の避暑地だ。
 ビーナスライン添いの蓼科湖から約5分の別荘地、「たてしな薫風」は古きよき「洋風ロッジ」の趣ある佇まいで迎えてくれる。館内に入るとラウンジの中央に大きな暖炉があるモダンな空間は、100軒を超える旅館をデザインし、そのいずれの宿も人気を得たことで知られる空間プロデューサー・松葉啓氏会心の作。どの空間もやわらかな色合いでコーディネイトされていて、贅沢かつ自然と一体となった心地よさがある。
 12部屋の客室には、今宵の「和のついん」のほかは、「あやめ」「つゆくさ」「われもこう」といったように、それぞれ山野草の名が付けられている。食事はモダンな和空間と好一対の高原野菜に創意工夫を凝らした「薫風料理」。一品ずつ供されるたび、五感が満たされ完食、また完食。くつろぎのあまり、話は盛り上がり、宴はにぎやかで少々長びくが、それも醍醐味。

ラウンジ 吹き抜けの開放感のある空間に大きな暖炉を配したラウンジ。のんびり語らいながら贅沢な宿でのひとときを過ごせる。

温泉の内湯と露天風呂 温泉の内湯と露天風呂、涼やかな高原の風が気持ちいいデッキテラスをはじめ、都会では味わえないぬくもりのある空間をご用意。都心を離れた別荘で「穏やかな時間」を楽しみたい。