日和山(ひよりやま)は日本各地に存在する。その多くは見晴らしのよい港町にある、船乗りが船を出すかどうか、天気(日和)を見るために登った山である。兵庫県豊岡市の北部、「金波楼」がある地もそのひとつで、変化に富んだ山陰海岸ジオパークを一望する景観の美しさで知られている。
宿の魅力は、およそ2万年前の地層から湧出するといわれる日和山温泉と、高級和牛や津居山ガニをはじめとする滋味豊かな食材を使ったおもてなし。夜は漁火も見える雄大な日本海のパノラマを眺めながら温泉が楽しめる露天風呂を筆頭に、打たせ湯、サウナなどの「癒し湯」も備えた大浴場はとくに圧巻で、塩分を含む湯は滑らかで身体を芯から温め、湯上がりも湯ざめせず肌を艶々にしてくれる。料理は、漁師街・津居山の海の幸、山陰の山の幸、自然農法「コウノトリ育む農法」で育てられた米や野菜を織り交ぜた食材のもち味を、活かし、引き立てるのが信条。「皆さまの舌と心に、くっきりとした思い出を作りたい」と、料理長が惜しみなく腕をふるう会席が四季折々の内容で旅を盛り上げる。
様々な海の生き物が観られる「城崎マリンワールド」にも隣接し、温泉情緒溢れる城崎温泉へは車で10分ほど。いつ訪れても豊岡の日和山は実に楽しい。
春から秋は海岸線がとくに美しい。海からの日の出も見られるのは、5月から8月にかけて。ぜひ、ダイナミックな色彩の変化を早起きしてご覧あれ。
山陰海岸ジオパーク京丹後エリアが一望できる「渚の館」モデレート和洋室。琉球畳の和室と和モダンなベッドルームで贅沢な滞在を楽しめる。