富士山が望める客室も

客室に向かうアプローチ。よくみると廊下が途中で角度＆傾斜がつけられ、そして全室レイクビューのため客室同士が向かい合うこともなく、プライバシーに配慮された点も上質なクラシカルテイストに裏付けされたホスピタリティーの賜物でしょう。

それでは客室へ。ここは、4階の富士山ビューデラックスツイン。その名の通り、窓からは富士山が望めます。広くてナチュラルテイストの雰囲気が旅人をホッとさせ、館内では人気の高い客室だそうです。夜はゆっくり思いのままに。朝は爽やかに目覚められそうです。

こちらは本日ステイする1階の客室・スタンダードツイン。4階の客室よりややこぢんまりしていますが、ベランダがあるので解放感があります。耳をすませば、鳥のさえずりも聞こえてきます。目の前にあるのは、湖と山々だけ。かつてここが別邸だったころ、岩崎男爵に招かれてしばしリゾートライフを満喫するゲストの気持ちが、少しだけわかるような気がしました。

全客室には、緑茶とミネラルウォーターの「箱根の森から」が。いずれも、地下水脈に恵まれたことから採取された、天然のミネラルウォーターだそう。このため水道水を使わず、飲料水を始め料理などホテルで賄われている水は、すべて地下からの良質な軟水を使っているそうです。これも絶好のロケーションがもたらしてくれた恩恵なのかもしれません。

芦ノ湖温泉唯一の自家温泉

落ち着いたところで大浴場へ。もちろん天然の温泉です。約10年前に掘削したところ1,000メートル地下から温泉を採取。「芦ノ湖周辺には温泉は出ない」という昔からの定説を覆し、見事「芦ノ湖温泉」の称号を手に入れました。2015年には、男女とも完全リニューアル。お風呂など直接体が触れる水回り部分が新しくなるのは、本当にうれしいものです。

もちろん露天風呂もあります。まさに入浴＆森林浴。

泉質は、しっとりとしたアルカリ性単純温泉。肌にやさしく、「美肌の湯」として女性にも人気があるそうです。お湯の温度はあまり高くありませんが、時間の経つのを気にせずゆっくりステイする贅沢な旅人にとっては、ちょうどいい湯加減なのかもしれません。

ちなみに、こちらが女性用大浴場。大きさは男性用よりもやや広く、女性にとってはうれしい配慮です。

女性用大浴場のみに設けられたパウダーコーナー。左右に仕切りがあり、周りの目を気にすることなく安心して使えそうです。

男性用・女性用ともに、ミネラルウォーターがここでも飲めます。蛇口をひねると、数秒で冷たい水になりのどを潤してくれました。湯上がりで、ビールやソフトドリンクではなく自然のミネラルがいかに心地よいかを、身をもって体感することができました。

スイーツのアート的パフォーマンス

ホテルと少し離れたところにある別館「プレミアムショップ＆サロン・ド・テ　ロサージュ」。何といっても、「おいしい紅茶の店」として日本紅茶協会に認定されている数少ないデザートレストランです。ここでしか手に入らない紅茶などの販売も行われていて、さらにここだけしかみれない、ちょっとした「名物」もあるんです。

それがこれ。ロサージュ伝統の「焼きたてのあつあつりんごパイ」。ぜひおすすめですと聞いてオーダーしたところ、数分でスタッフがテーブル前へ。軽快なトークを交えながら、即興パフォーマンスによりフルーツソースがバラや若葉などに早変わり。思いがけないスイーツアート。目の前でデコレーションしてくれるとあって、最近ではスマホで動画を撮ってSNSを楽しむ若い人たちも多いそうです。

建物のすぐ下には、ホテルのプライベート桟橋がありました。ここでウェディングの撮影があったり、のんびりと釣りができたり。夕暮れが迫り、湖畔ならではのエキゾチックなシーンが印象的でした。

湖上では小舟で釣りを楽しむ人も。その昔、ボート遊びに興じることも多かったという岩崎男爵。とっておきのレイクリゾートを、思う存分ゲストとともに楽しんだのでしょう。

プライベート桟橋を後にして、湖畔の遊歩道をのんびり歩きながらホテルへ。そろそろ夕食の時間となりました。